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一つの音でうたう ~田口裕、チェロ:音の葉の夕べ(10/16)~

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チェリスト養成の最高峰とも言われる
ハンガリー、リスト音楽院への2年間の留学を経て
今年7月に帰国。

田口裕。
チェリスト。

田口裕1

そう書くと
華々しいばかりですが
その道のりはやや変則的です。

田口さんが
本格的にチェロを始めたのは16歳の頃。
ただそこまでにも
いきさつがあったよう。

「両親が音楽をやっていた関係で
 3歳から小4くらいまで
 ピアノをやってはいました。

 ただ、母がソプラノ歌手だったりして
 いつも家じゅうに高い音が響いていたので
 できるだけ低い、静かな音がいいなと」

私立・普通科の中学で
音楽の先生がオケをやると。

田口さん、お、と
コントラバスを志望するも
身長が足りず、チェロへ。

しかしそこは普通科。
楽器たちはボロボロ。
ただ、そういうボロボロの楽器たちが大好きで
かぜをひいても
インフルエンザになっても
器楽の授業だけは欠かさず出席。

でも一方
バスケットボールにも打ち込む日々…。

「高校に入って
 16歳から先生につくようにはなったものの
 ちょうど、日韓ワールドカップがあったりして
 サッカーやバスケに夢中になっちゃって」

なかなかチェロにたどり着きません。

きっかけは浪人時代以降
自身、約20年のハンガリーでの
音楽活動の経歴を持つ
チェリスト、木内哲也氏に師事するようになってから。

「基礎がなかったので
 ひたすら弾いて弾いて弾いて…。
 命を削りながらの練習でした(笑)

 それで一度
 左手を壊してしまったことも。
 (その後、完治)

 でも、以来
 ちゃんと考えなければと思うようになったし
 失敗を繰り返しながら
 学んでいくんだろうと思います」

チェロ

その後、オンツァイ・チャバ氏との邂逅を経て
25歳のとき、リスト音楽院へ留学。

ブダペストでの2年間については
当日詳しく聞かせていただくとして。

「やっぱり練習量と自信は比例すると思います。

 一定の技術は前提。
 そして、寝てても弾けるようになるくらいまで
 練習を重ねます。

 当日、指ならしなんて必要ないくらいに。

 そしてその上で、自分はうたいたい」

「うたう」というのは
必ずしもメロディックであるということを
意味しないと田口さんは言います。

「のばしている一つの音にも
 意味を込めることはできます。

 たった一つの音でも
 うたうことはできるんです」

田口裕2

チェロ12年目。

期間としては決して長くはないのでしょうが
その間、考えに考え
失敗に失敗を重ね
練習に練習を重ねてたどり着いた
27歳の田口裕の音
聞きにいらっしゃいませんか。


音譜音の葉の夕べ音譜

日時: 20141016日(木) 19:30~20:45頃
参加費: 2,000円(ワンドリンク込み) *ぶんじ、使えます。
    中学生以下 1,000円
定員: 15名
進行役: かげやま
お申込み: メールかお電話にてご予約承ります。
info[at]kurumed.jp / 042-401-0321(9時~23時までOK)

曲はエチュード(練習曲)を中心に。

チェリストが普段
どんな風に練習しているのか
ご披露くださるそうです。

そして、エチュードの中にも名曲があると。

才能と努力のかけ合いが
音楽家に技術をもたらし
パッションがかけ合わさって音が響く。

「一つの音」に注目しながら
第32回音の葉の夕べ
お届けしたいと思います。


チェロ田口裕(たぐち・ゆう)

田口裕4

東京都出身、16歳よりチェロを始める。
2010年3月、洗足学園音楽大学を卒業と共に優秀賞を受賞、卒業演奏会に出演。
2012年5月、ハンガリー国立リスト・フェレンツ音楽大学へ留学。
2014年7月、帰国。

ヴォルフガング・ベッヒャー、クリスティアン・ギガー・ジョバンニ・ニョッキ、向山佳絵子、藤原真理の各氏による様々なマスタークラス・公開レッスンを、また室内楽において、東京クァルテット、ガブリエルピアノ四重奏団、マルタ・グヤーシュ、ルイス・フェルナンド・ペレス、市野あゆみ・安永徹の各氏による公開レッスンを受講。

ハンガリーにおいて、東日本大震災支援コンサート、日本=ハンガリー友好演奏会、­­­Gubbio Summer Festivalに出演。

これまでにソロを、村井将、藤森亮一、木内哲也、金木博幸、オンツァイ・チャバの各氏に、室内楽を須田祥子、金木博幸、荒井英治、黒木岩寿、北島公彦、渡部亨、エーデシュ・パール、ビハーリ・ラスローの各氏に師事。

現在フリー奏者としてオーケストラ、室内楽からポップス等のライブサポート出演と幅広く活動中。
またチェロの後進指導にもあたっている。

やや欠け月これまでの音の葉の夕べ
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 しゃべるように叩く ~三矢真之:パーカッション(8/14)~
 天からの声 ~小武内茜:ファゴット(7/10)~ 
 ドイツの美しい曲 ~高橋亜侑美:ピアノ(6/5)~
 バッハと棒人間 ~日野真奈美:フルート(5/22)~
 シャコンヌの夜 ~星野沙織:ヴァイオリン(4/17)~
 ウィリアム・ギロック ~新明知美:ピアノ(3/27)~
 寄り道 ~下払桐子:フルート(2/20)~

階段

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