「このカフェを、ボクらの娘たちのために作ろうと思う。
ボクらの娘が、もう少し大きくなって
楽しめるカフェを作ってみたくなりました。
たとえ潰れても、やってよかったと思えるカフェ。
わたしの街にも、こんなカフェがあればいいと思えるものにしたい。
こどものカフェといってもテーマパークや幼稚園や、
おまけをくれるカフェではない。
大人もこどもも、お年寄りも、静かでくつろげるカフェ。
こどもをとりこめば大人がついてくるというのではない
本当のこどものカフェを愛娘のために作ろう。」
これは10年前
お店をつくるとき
カフエ マメヒコの井川さんが
文章にしてくださった
ぼくらなりの所信表明。
今も、Adobe Flash Playerを
インストールしてくださっている方であれば
下記サイトの冒頭でご覧いただくことができます。
この10年間
この文章は
ずっとぼくの中心にありました。
中でも、支えてくれたのは
「たとえ潰れても、やってよかったと思える…」
の箇所。
うまくいかないことがあったりして
「やめたい」
「続けられないかも」
そんな風に思うたびに
変な話ですけど
「潰れたら潰れた、か。
まあ、そうなったとしても
やってよかったこともたくさんあるもんな。
それはそれだな」と
開き直れたことが
結果的に、いい方向に
道を開いてくれたように感じています。
文中
「ボクらの娘たちのために」とは
ありますけれど
これは文字通りの
井川さんとぼくの娘に向けて
ということだけではありません。
もう少し広い意味で
次の世代のために、というニュアンス。
ぼくらが生きているうちに
その恩恵や利益に
預かることができなかったとしても
次の世代に対して
残したいものごとのために
力を尽くそうということ。
働くことのよろこびだったり
人を信じる気持ちだったり
大きな循環に包まれる安心感だったり
無邪気さだったり
想像力だったり
10年が経って
改めてこの文章を読み直して
また違うものを感じられることが
うれしいです。
今日、たくさんのお客さんが
お店に来てくださいました。
お店を一緒にやっている仲間たちも。
今も、たくさんのお花に囲まれながら
このブログを書いています。
真夜中の嵐を経て
電車が動いてないーと
ドタバタのなか
なんとかかんとか開店にこぎ着けた今日の朝。
ぼくららしいねと
笑いながら迎えた
新しい10年の1日目。
なんにも変わっていないようにも思いながら
でも確実に育っているものもある。
人の縁や
一人一人の強さややさしさ。
今日という日を迎えられて
本当によかったなと思います。
一人一人に
心からの感謝を。
「本当のこどものカフェ」を
目指すぼくらの旅は
まだまだ続きます